夏休みは、海や山でバーベキューをしたり、帰省して親戚みんなで食卓を囲んだりと、楽しいイベントがたくさんあります。こどもたちが、初めての食べ物に出会う機会も増える時期です。楽しい夏休みを「おいしかったね!」という思い出にするために、小さいお子さんの生ものについて、少し注意していただきたいことがあります。
1.小さい子の生魚(刺身・握り寿司)は慎重に
乳幼児は大人に比べて免疫機能や消化機能が未熟なため、食中毒にかかった場合に症状が重くなることがあります。
また、生魚には細菌やウイルスだけでなく、アニサキスなどの寄生虫による健康被害のリスクもあります。
そのため、3歳頃までは刺身や生の握り寿司は避け、3歳を過ぎてからも少量ずつ慎重に始めるとよいでしょう。
初めて食べさせるときは、
• 新鮮で衛生管理のしっかりしたものを選ぶ
• まずは少量から
• お子さんの体調がよい日に試す
• マグロやサーモンなど食べやすいものから始める
• 生の貝類、特に生ガキなどはさらに慎重にする
といった点に気をつけましょう。
一方、十分に加熱されたえびや穴子、玉子、ツナ、かっぱ巻きなどは、生魚より早い時期から食べることができます。ただし、小さいお子さんでは、のどに詰まらせないよう、一口で食べやすい大きさに切ってあげましょう。
年齢はあくまで目安ですが、
・0~2歳頃: 生の刺身や握り寿司は避ける
・3歳頃以降: 体調のよい日に、少量から慎重に
・小学校入学頃: 大人と同じように食べられるお子さんが増えますが、新鮮で衛生的なものを選ぶことは引き続き大切です。
2.生肉・生レバーは、こどもには食べさせないで!
生魚以上に注意していただきたいのが、生肉や生レバー、加熱が不十分なお肉です。
肉やレバーには、腸管出血性大腸菌(O157など)、カンピロバクター、サルモネラなどが付着していることがあります。特に腸管出血性大腸菌は、少ない菌量でも感染し、こどもでは溶血性尿毒症症候群(HUS)などの重い合併症を起こすことがあります。
「新鮮なお肉だから大丈夫」ということではありません。生肉や生レバーは、こどもには食べさせないようにしましょう。鶏のたたきや鶏刺し、加熱が不十分なハンバーグなどにも注意が必要です。
3.バーベキューでは「箸・トング」に注意!
夏休みのバーベキューでは、肉そのものだけでなく、調理器具を介した食中毒にも注意が必要です。
• 生肉を切った包丁やまな板を、そのまま他の食品に使わない
• 生肉をつかむトング・箸と、焼けた肉を取る箸を分ける
• 肉は表面だけでなく、中心部まで十分に加熱する
• 生肉を触ったあとは、しっかり手を洗う
特に、生肉をつかんだトングで、焼き上がった肉をお皿に取らないようにしましょう。
ちょっとした注意で、食中毒のリスクを大きく減らすことができます。夏休みの楽しい食事が、家族みんなのよい思い出になりますように!
生肉・生レバーについては、日本小児科学会からも注意喚起が出されています。ぜひご覧ください。
*参考:日本小児科学会HP「生肉・生レバーを子どもに食べさせるのはやめましょう」 https://www.jpeds.or.jp/general/generalnews/post-158044.html
夏休みは、学校生活に支障なく予防接種を進められるよい機会です。
この時期にぜひご検討いただきたいワクチンの一つが、子宮頸がんを予防するHPVワクチンです。
日本では、小学校6年生から高校1年生相当の女子を対象に、公費(定期接種)でHPVワクチンを受けることができます。HPVワクチンは、通常6か月以内に3回接種するスケジュールです。そのため、高校1年生の方が公費で3回の接種を完了するためには、今年9月末までに1回目の接種を開始する必要があります。夏休みのうちに1回目を済ませておくと、その後のスケジュールにも余裕をもって接種を進めることができるため安心です。
HPVワクチンや子宮頸がん予防について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
「もっと知りたい子宮頸がん予防」
https://www.shikyukeigan-yobo.jp/vaccines/p01/
なお、定期接種の対象年齢を過ぎると任意接種となり、自費での接種が必要です。費用は医療機関によって異なりますが、1回あたり約28,000円が目安となります。
接種時期についてご不明な点がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。
このたび、7月28日午後に発生した熊本県を震源とする大地震により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
私自身、小学4年生の夏まで熊本市で過ごし、多くの思い出のある大切な場所です。熊本市内に住む親戚の無事を確認することができ、ひとまず安堵しておりますが、今なお不安な日々を過ごされている方々が多くいらっしゃることを思うと、胸が痛みます。
厳しい暑さが続く中での避難生活は、体調面への影響も大変心配されます。どうか余震が一日も早く収まり、被災地の復旧・復興が着実に進み、皆さまが安心して日常生活を取り戻されることを心よりお祈り申し上げます。
13年ほど前、夏休みに子どもと一緒に近所の神社で行われていた朝のラジオ体操に参加しました。子どもが成長した今では、毎年私一人で参加するのが夏の恒例になっています。
ラジオ体操は昔から親しまれている運動ですが、実は子どもの身体発達という視点から見ても、とても理にかなった全身運動だと思います。
最近は、タブレットやスマートフォン、ゲーム、勉強などで前かがみの姿勢が続く子どもが増えています。そのため、肩甲骨(けんこうこつ)の動きが少なくなり、姿勢の乱れや肩・首まわりの筋肉の緊張につながることがあります。
肩甲骨は「腕の土台」ともいわれる大切な部分です。ラジオ体操には腕を大きく上げたり回したりする動きが多く含まれており、肩甲骨をさまざまな方向へ動かします。こうした動きは肩甲骨周囲の僧帽筋(そうぼうきん)や前鋸筋(ぜんきょきん)などの筋肉をバランスよく使うため、姿勢を保つ力を育てることにもつながります。
また、肩甲骨がスムーズに動くようになると、投げる、ぶら下がる、登る、泳ぐなど、子どもに欠かせない基本的な運動がしやすくなります。さらに、体幹や股関節も一緒に使うため、全身の協調性やバランス感覚を育てる効果も期待できます。
運動習慣は「たくさんやること」よりも、「続けること」が大切です。ラジオ体操は3〜5分ほどで終わるため、毎日無理なく続けられます。腕を耳までしっかり上げたり、「肩甲骨を背中で寄せるように動かそう」と声をかけたりすると、より効果的です。ただし、痛みがある場合は無理をせず、気持ちよく動かせる範囲で行いましょう。
夏休みは生活リズムが乱れやすい時期ですが、朝のラジオ体操は体内時計を整え、朝日を浴びるきっかけにもなります。蝉の鳴き声を聞きながら朝の光を浴びることは体内時計のリセットに役立ち、規則正しい睡眠・覚醒リズムを保つことにもつながることが知られています。
親子で一緒に体を動かす時間は、健康づくりだけでなく、大切なコミュニケーションの時間にもなります。この夏はぜひ、お子さんと一緒にラジオ体操に参加してみてはいかがでしょうか。
近年、食物アレルギーのあるお子さんは世界的に増えています。普段は家庭や学校でアレルギーへの対応が共有されていますが、夏休みにはキャンプや宿泊学習、スポーツ合宿、旅行など、普段とは異なる環境で過ごす機会が増えるため、改めて十分な準備が大切です。
お子さんが課外活動に参加する際には、次の2点を必ず確認しましょう。
旅行の際にも注意が必要です。レストランやホテルでは、学校給食のようにアレルゲン表示が義務付けられているわけではありません。予約時や利用前に、アレルギー対応食が可能か、使用食材や調理方法について確認しておくことをおすすめします。しっかりと準備をしておけば、食物アレルギーがあっても安心して夏休みの思い出をつくることができます。周囲の大人が正しい知識を持ち、お子さんを見守ることが、安全で楽しい夏休みにつながります。
例年より早く梅雨が明け、本格的な暑さが続いています。急に気温が高くなるこの時期は、まだ体が暑さに慣れていないため、熱中症に特に注意が必要です。
小さなお子さんは身長が低いため、地面からの照り返しの熱を受けやすく、大人が感じる以上に暑い環境にいます。ベビーカーに乗っているときも、路面からの熱がこもりやすいため注意しましょう。
熱中症では、体温が高いことだけでなく、「ぼんやりする」「元気がない」「めまいがする」「ぐったりする」といった症状が大切なサインです。顔色が悪い、水分が飲めない、呼びかけへの反応が鈍い場合は、すぐに涼しい場所へ移動し、体を冷やしながら医療機関を受診してください。
予防の基本は、直射日光をできるだけ避け、こまめに水分を補給することです。のどが渇く前から、1時間ごとを目安に水分補給を心がけましょう。
現在開催中のサッカーW杯では、今回の大会で初めて、前半・後半の途中に**Hydration Break(給水タイム)**が設けられました。選手たちは水分補給を行い、体を冷やしてコンディションを維持しています。それだけ暑さ対策は大切だということです。
熱中症対策のポイントは、福岡市政だより最新号(2026年7月15日号)でも詳しく紹介されています。WEB版が公開されましたら、当院ホームページでもご紹介する予定です。
乳幼児は自分で『のどが渇いた』と訴えられないことも多いため、大人がこまめに水分補給や休憩を促してあげましょう。そして、お世話をするママやパパもしっかり水分補給して、暑い夏を元気に乗り切ってください。
毎年、梅雨の時期から夏にかけて流行する子どもの感染症に、「手足口病」と「ヘルパンギーナ」があります。どちらもウイルスが原因で、発熱や口の中の痛みが起こり、食欲が落ちることがあります。
手足口病では、手のひらや足の裏に赤い発疹や小さな水ぶくれができるのが特徴です。おしりの周りに発疹が出ることもあります。また、口の中や舌、唇に口内炎ができるため、食べたり飲んだりすると痛がって機嫌が悪くなることがあります。水ぼうそう(水痘)と似ていることがあるので、要注意です。
ヘルパンギーナでは、のどの奥(のどちんこの周り)に小さな水ぶくれや口内炎がたくさんでき、強いのどの痛みが出ます。体に発疹が出ることもありますが、手のひらや足の裏にはあまり見られません。
どちらの病気も、ウイルスそのものを治す特効薬はありません。十分な水分をとり、食べられるものを少しずつ食べながら、ゆっくり休むことが大切です。
保育園や幼稚園でうつりやすい病気ですが、熱が下がり、普段どおりに食事ができて元気があれば登園できます。ただし、口の中が痛くて食事や水分が十分にとれない場合は、無理をせず回復してから登園するようにしましょう。
先月6月11日に福岡県糟屋郡宇美町にオープンしました、「なかやまこどもクリニック」の院長・中山秀樹です。
宇美町には子安の杜として有名な宇美八幡宮があり、当クリニックは宇美八幡宮から約700mの場所にあります。子育てに力を入れている宇美町と協力して、こどもの健康を守り、子育てをサポートするクリニックを目指します。よろしくお願いいたします!